年末年始のせわしなさであくせくしているうち、気付いたら、いつのまにか IZ*ONEの『Panorama』活動も終わっていたようです(泣)。今回のカムバックは「これが最後」と銘打っていなかったことから、まだ次があるのではと首の皮一枚残った気もしていました。とは言え、2020年12月7日に公開されたミュージック・ビデオ(MV)を見て、「私達は果てしなく繋がっているもの」のところで、ひーちゃんに大粒の涙を流されたら、やはり、と思ってしまうではありませんか。

期間限定グループだからこそ、突き刺さるメッセージ

そういう目線で眺めると、ミンジュのパート「悔いが残らないように私に全部見せて」も怪しいし、イェナの「小さな息遣いを一つも見逃したくない」も今のファンの気持ちにピッタリ。奈子がチェウォンの肩にもたれかかって目を瞑り、その手をチェウォンがしっかりと握り締めるシーンも、このグループだからこそ日韓の2人が出会い、絆を深め合えたとつい感傷に浸ってしまう。サビの部分で「永遠に咲く/輝かしいこの瞬間」なんて歌われると、あまりにもその通りすぎるので、ほんのちょっとばかり号泣したくなります。作詞はKZ、ビオオ(B.O.)、FAB、作曲はKZ、Nthonius、FAB、ジェインス(Jayins)、チ・イェジュン、編曲にウンキム、FAB、KZ、Nthoniusがクレジットされています。

韓国で4枚目となるミニ・アルバムのタイトルは『One-reeler Act IV』。リールとは映画のフィルムを巻き取る枠のことですが、それが1つしかないとはすなわち上映時間が30〜40分にも満たない短編作品を意味します。ここでもまた、活動期間の短さがあえて強調されているようで、切ないですね。収録曲『Panorama』のMVも、アンティーク風なクラシックカメラによる写真撮影現場をモチーフにしています。カチンコに書かれていた日付「18.10.29」はIZ*ONEのデビュー日を表しており、それが次の瞬間にはゼロになるから、解散を意味していると解釈していた方もおられました。いずれにせよ、一瞬一瞬が美しく、大切なんだというメッセージは、期間限定を運命付けられたIZ*ONEだからこそ、深く心に突き刺さりますね。

MAMAで「FAVORITE FEMALE GROUP」受賞

年末の韓国は音楽祭の季節です。MV公開の前日、12月6日に開催された「MAMA2020」で、IZ*ONEは「FAVORITE FEMALE GROUP」を受賞。投票操作問題でマスコミや一般大衆からの風当たりも強い中で、自ら作り上げたグループの最後(かも?)を飾ってあげたいというMnet側の工夫が感じられました。既存曲のハイライトに加え、リリース直前の『Panorama』も初披露。この中で、もちろんユジンやイェナのパフォーマンスが絶賛されたのは当然ですが、私はやはりチェウォンに惹きつけられました。彼女の歌い方には独特の勢いというか疾走感があり、曲が盛り上がって加速するパートで起用されるケースが多いのですが、このステージでも遺憾無く本領を発揮していました。

やはり絶品なフォーメーション・ダンス

さて、12月7日には、無観客のプレミア動画も発表されました。こちらはMVとは違ってシンプルな演出により、舞台上で実際に踊る様子が収録されています。12人が入れ替わり立ち替わり、片時も止まることなく、流れるように移り変わって行くフォーメーション・ダンスの美しさ。K-POP広しと言えども、やはり独自の世界観を切り開いたグループだと納得させられます。

韓国の音楽番組で2冠を達成

韓国の音楽番組では、12月15日のTHE SHOWで1位となりユジンとミンジュが挨拶しました。続いて、12月17日のM COUNTDOWNで2冠目を獲得。黒い制服でメンバーのビジュアルがいっそう引き立ちますね。チェヨンのレザー帽子も似合っています。挨拶はユリとひーちゃんが行いました

もともと2年半という期限付きで始まったグループですから、覚悟はしていますが、素晴らしきパフォーマンスの数々を見れば見るほど、もしかしたら解散しなくてもいいのではと期待してしまうわけで。しかしながら、21年4月で満期。この先、何があっても、心の準備だけはしておきましょう。